虎に翼の感想主人公がだんだん嫌いなる理由は脚本家の思想の押し付け

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NHK連続テレビ小説「虎に翼」に関する視聴者の感想には、「気持ち悪い」という声も寄せられているそうです。

ドラマの前半までは楽しく観ていたのですが・・・・・

政治色が強すぎることと、社会的な問題提起が散りばめらすぎていてる。

脚本家の思想を押し付けられているのような気持ちになっています。

主人公を演じるのが伊藤沙莉さんじゃなかったら、このドラマが大嫌いになっていたかもしれません。

脚本家は吉田恵里香さん。最近のインタビューでこんなことを話しています。

寅子の母性をたたえるような物語にしてなるものか、と思っていた

いい母親という演出を、一つでも削ることに意味がある。

「本当はもっと“我儘”な寅子のシーンを入れたかった」

謎が解けました。

虎に翼を視聴していて、言いしれぬ不快感やモヤモヤ感の正体の源は、脚本家のそんな思いだったのです。

目次

見えない抑圧

吉田恵里香さんのインタビュー記事です。

吉田さん
 「視聴者が不快に思わない程度の怒り」を描くのが、日本のドラマのセオリーではあると思います。寅子は、それをしなかったから、おっしゃるとおり「おとなげない」みたいな意見もしばしば耳に届きました。でも、これまたおっしゃるとおり、そういう抑圧に抵抗する寅子を応援したい気持ちがあったんじゃないの? とも思うんですよね。それに実際、寅子はそこまでの我儘を言っていない。家族と溝ができたとか、穂高先生との関係が悪化したとか、個人的な問題は生じていたかもしれないけれど、社会に不利益を与えるような何かはしていない。本当は、はやく帰ると約束したのに飲み会を優先するとか、仕事していると嘘をついて飲みに行っちゃうとか、そういうシーンも入れたかったんですけど。ダ・ヴィンチより抜粋

確かに、寅子の行動は社会に不利益は与えてはいません。

しかし、寅子が声荒げて「自分が絶対に正しい」「おかしいことはおかしい」と声を挙げていことに対して、鬱陶しげに思えてきました。

なぜなら、自分の考えをところかまわずに、人の立場も考えずにする「はて?」が、わがままに見えるからです。

まだ、寅子が女学生時代だったり権力を手にしていない時には、弱者が強者に噛みつくという感じで、

それほど不快感はなかったのですが。だんだん寅子の主張は、見ていて嫌な気持ちになってきました。

なぜ嫌な気持ちになっているのか考えてみたら、自分はしたくても我慢してきたからです。

私も含めほとんどの人は怒りは心にしまいこんだり、回りに配慮したり状況を見つつやっとの思いで言葉にしてきました。

寅子のように言いたいことが言えて、なおかつ許されてしまうことがうらやましいのかもしれません。

男なら許されること

吉田さんのインタビュー記事

本当は、はやく帰ると約束したのに飲み会を優先するとか、仕事していると嘘をついて飲みに行っちゃうとか、そういうシーンも入れたかったんですけど。

――いいか悪いかは別として、働いている人にはよくあることだと思いますが、それを朝ドラで描いたら確かに批判が殺到しそうですね。


 そしてそれはやっぱり、寅子が女性だからだとも思うんですよね。もちろん男性が約束を破っても嘘をついても怒られるとは思いますけど、度合いは違うんじゃないのかな。だから、ちゃんとした母として描きすぎないということも、意識していました。もうね、私、母性って言葉が本当にきらいなんですよ。もちろん、わが子だけでなく、若い子には健やかであってほしいとか、おいしいものを食べさせてあげたいとか、そういう気持ちがわくことはあるし、名前を付ければ母性としか言いようがないのかもしれない。でも絶対に、寅子の母性をたたえるような物語にしてなるものか、と。

そうなんですよね。「はやく帰ると約束したのに飲み会を優先するとか、仕事していると嘘をついて飲みに行っちゃう」

なんてことをしたら、母親のくせにの大合唱が起きるでしょう。

「女性なら、母親なら、そんなことするべきではない。」という基準で自分を縛り、ずっと言いたいことを言えない

という時代がまだまだ続いています。

このドラマは、女性なら当たり前、母親ならそうあるべき、という見えない抑圧に対して闘っているのですね。

その基準や見えない圧力とは、社会が女性に対して望んできたことなんだと思います。

ただ、自分も含めてほとんどの母親は子供を優先してきました。

そのため、自分の今までの価値観とは違う行動を取る主人公寅子を不快に思ってしまうのかもしれません。

政治色

「政治的な意図やメッセージを社会に訴える」ためにドラマを使うのはどうなのか。

ドラマで社会を操ろうというか、ある方向に誘導しようというのって、感じ悪いです。

「あなたたちが持つべき価値観は、これですよ」と諭されているというか、

「ドラマで啓蒙する」みたいな姿勢がちょっと「上から」で、なんだか優等生の学級委員に注意されてるみたいな気分になっちゃいますしね。鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。の記事です。

私も政治的な意図やメッセージが強すぎると感じています。

差別や戦いが一方向で語られて、ジェンダー平等を切り開くための正論づくしのセリフに違和感を感じています。

NHK朝ドラマ、虎に翼は三淵嘉子さんをモデルにしています。

モデルとなった三淵さんの生涯をあまりにも無視して簡略化しすぎているのではないでしょうか。

三淵さんなり男性社会の中で女性が生きる道を切り開いた女性たちは、変えるべきものが厳然としてある中でわかりやすくそれらに戦いを挑めたのではなく、変えるべきものの形を少しずつ露わにしていきながら、それらとじわじわ対峙していったはずなのですが、当時の世界のなかでわかりやすく男女の格差や差別を問題視し、わかりやすくそれと戦う闘士として寅子たちを描くのは、安易すぎるし、モデルとなった三淵さんの生涯をあまりにも無視して簡略化しすぎているのではないでしょうか。文/鈴木チチローさん

「一部の過激な」フェミニストだけが支持する駄作になりかねない

好感度の高い名優伊藤沙莉さんが演じてなかったら、主人公に対して嫌悪感を感じる人も多かったと思います。

共感するところ

伊藤沙莉さんが演じていなかったら嫌いになっていたかもしれないこのドラマですが、共感するところもあります。

人生に成果を求めすぎていないところです。

このドラマの核心として、どんな選択だろうと選択をする人の意思を尊重し、最後まで応援するというところです。

竹もとで働く梅子が、法律にめちゃくちゃ詳しいおばちゃんとして学生たちに頼りにされるということもあるでしょうし、法律の道に進むわけじゃない人に、涼子の知識に基づいた言葉が響くということもあるでしょう。

誰かの役に立たなくても、自分の人生が豊かになるのであれば、それはそれでいいじゃないかと。

そうなんですね。人生を意味あるようにしよう、結果がでるようにしよう、学んだことをお金にしよう、人の役に立とう

いろいろ考えすぎて、辛くなってしまうことがあります。

でも、考えを変えました。

苦労して手に入れたものや努力したことに成果が出なかったとしても、自分の人生が豊かになる。

これ、すごくいいですね。

吉田恵里香さん脚本のドラマは、普通って何?がテーマだと感じました。 

2022年 恋せぬふたりというアロマンティック・アセクシュアルを描いたドラマです。

何でもかんでも恋愛に結びつけるドラマが多い中、このドラマはかなり異色です。

このドラマの中で一番気に入ったセリフは、

「私の人生に何か言っていいのは私だけ、私の幸せを決めるのは私だけ」

おすすめのドラマです。

ドラマの概要

岸井ゆきの×高橋一生 W主演。人を好きになったことがない、なぜキスをするのか分からない、恋愛もセックスも分からずとまどってきた女性に訪れた、恋愛もセックスもしたくない男性との出会い。恋人でも…夫婦でも…家族でもない? アロマンティック・アセクシュアルの2人が始めた同居生活は、両親、上司、元カレ、ご近所さんたちに波紋を広げていく…。恋もセックスもしない2人の関係の行方は!?

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